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国産AIに期待すること──人を活かすAIと、現代の武道

 

TIMEやAIについてのブログを書いていると、

Xのおすすめ欄もそういった話題が多くて、

ある日「国産のAI開発に向けて官民が投資をする」との報道が流れてきた。

気になりネットニュースの記事をいくつか読むと、政府が開発を進めているのはChatGPTやGeminiのような会話型チャットボットではなく、ロボットに搭載するための人工知能のようだ。

元記事はこちら(2025/12/21)

僕としては、政府には日本版ChatGPTを作って欲しいな、という気持ちがあるので、今日はそんな、「日本製AIに求めること」をまとめてみようと思う。

ただ、AIの性能を比較したり評価する意図はなく、未来予測をするものでもない。僕自身が、ふだん、自分よりもはるかに能力のあるAIをどう使って、どう向き合っているか、という話だ。

人の可能性を潰さないAI

一言でいうと、国産のAIには、人の可能性を奪うのではなく、広げることを求めている。

人の可能性を広げるAIとは?それを話す前に、共通認識として

日本人と世界とでAIに求めることが微妙に違ってる?という話題について書こうと思う。

例えば、Yahoo!の「AIをどのように活用すべきか」という記事

これは、1,051人が投票したアンケート。結果の内訳を軽く書くと、


日常生活の補助として活用する目的が約3割

特に活用しない/分からないという層が2割程度。

仕事や勉強の効率化に活用するのは約28%

これを見ると、仕事でAIを活用している層は意外と少なく、自分なりの運用方法を見出せないでいるユーザーも多いようだ。

便利そうだけど、よくわからない

そんなふうに思っている人も、多いのかもしれない。

同じように、TIMEにもChatGPTの活用についてのアンケートがあった。

こっちは世界全体の調査だ。(TIME Person of the year 2025 P39)

『HOW PEOPLE USE CHATGPT:人々はChatGPTをどのように使っているのか』

というアンケートで、毎週8億人以上のChatGPTユーザーの内訳が示されている。

ChatGPTの活用方法についての内容は以下に簡単にまとめた

実用的なガイダンス(28%)

• 指導・家庭教師・教育:10%

• ハウツー・やり方の相談:9%

• 健康・フィットネス・美容・セルフケア:6%

• アイデア出し(クリエイティブ):4%

文章を書く用途(28%)

• 文章の編集・添削・批評:11%

• 個人的な文章・コミュニケーション:8%

• 翻訳:5%

• 論点整理・要約作成:4%

• フィクション執筆:1%

情報を探す(21%)

• 特定の情報を探す:18%

• 購入可能な商品について:2%

• 料理・レシピ:1%

ここまでがメインで、以下に

技術的な用途(8%)、マルチメディア(6%)と続く。

ただ、個人的に気になった項目もあった。

自己表現(4%)

• 人間関係・個人的な内省:2%

• あいさつ・雑談:2%

普段のコミュニケーションの相手にとどまらず、一段深い対話相手としての需要も一定層あるようだ。

このデータを見て思ったが、人がChatGPTに投げている言葉の内訳で

指導、批評、相談、内省といったワードが目立つ印象。

これって、日本ではあまり言われていない気がする。

正解を求め過ぎていない?

日本では、「役に立つプロンプト集」とか、ともすれば、AIがいかにズレた回答をするかを揶揄する投稿が目立つ印象がある。

それはつまり何を期待しているかというと、

「たった一つの正解」だと思う。

それはテストの結果が良ければ褒められ、優秀とみなされる日本の教育制度の影響があるのかもしれないが、「ChatGPTは正解を知っている」あるいは、知っている「べき」だという暗黙の前提があるように思える。

対して、世界全体で見れば、そもそもAIに一般的な正解や精度を求めていないのではないか?という雰囲気を感じられた。

TIMEの調査を見るに、海外ではすでにAIは「思考と文章の相棒」になっているとも言える。

でも日本では、「正しさ」「高品質さ」が求められていて、論理で対等に会話ができる相手という認識は、メジャーではないように見て取れた。

これを踏まえて、

僕はこの記事で、「AIを自己を深める相棒」として使うのもアリでは?という話をしようと思う。

国産AIに望むこと=相棒感

少しファンタジックに言ってしまえば、国産AIには、「僕と一緒に冒険できる相棒」になって欲しいと思っている。

もちろん一緒に出歩くことはできないのだが、

・資格試験の壁打ち相手にもなってくれたり、

・食事制限中の栄養アドバイザー

・ブログ記事の相談相手

のような、人間が新しい挑戦をする際のサポート役になって欲しいと思っている。

もう少し日常に寄せれば、

・自分の価値観を理解した上で、就職する業界を一緒に精査してくれたり

・「自分は何が好きで、何を恐れているのか」という本質的な問いかけを真面目にできる相手

そんな存在であってくれれば好ましい。

ようは、自分を見出すための対話相手になって欲しいのだ。

だって、いつもパーフェクトな正解を回答するだけの存在って、退屈じゃないですか?

せっかく人間よりも能力の高い一面があるのに、それを「正解をアウトプットする機械」とラベリングして、機能を矮小化してしまうのは、すごくもったいない。

正解製造機。それよりも、

・一緒に迷ってくれたり、

・ユーザーの能力の範囲内で実現可能な「策」を提案してくれる。

・自分らしくない方向に逸れ始めたら、「それ、お前らしくなくね?」進言してくれる。

そんな相手の方が、会話していて楽しい。

攻略方法がわかっているゲームなんて、わざわざやらないでしょう?

「正解」ってホントに必要?

正しいだけの「正解」は、時に人を停滞させる。

正解なんて、教えて欲しくない。

挑戦している充実感を、もっと深く、もっとたくさん感じるためにAIを活用していきたい。

つまり、僕がAIに求めていることは、自分の能力ではなく、自分の世界を拡張してくれる存在、なのだ。

なぜ国産にこだわる?

しかし、自分の世界を拡張してくれるAIって、実はChatGPTで十分実現できている。それでも国産を求めるのは、iPhoneがいいのかSONYのスマホがいいのか、という、個人の好みの問題に過ぎないのかもしれない。

でも、国産であれば、やはり安心する。それは、AIが言葉を扱うプロダクトであるから。例えばテレビや新聞が国産でなければ、不安になりませんか?

・日本人の歴史を踏まえて伝えてくれるのか

・制作した国に情報を取捨選択されるのではないか

そんな懸念を、きっとメディアに感じてしまうだろう。そんな不安を少しだけ、海外製AIにも感じてしまう。まぁ、今のYouTubeやXを見る限りは、情報統制の意図は感じられないが、少なくとも設計思想が本国基準であることは想像できる。

また、海外の情報インフラを使うことで、相当程度の国内消費の機会損失がある、との試算も聞く。

例えば、すでに国会で議論されているように、国産AIにはNHKの放送アーカイブを学習させて、日本の歴史(=日本人の文脈)を前提としたAIを開発するべき、という話もある。製品には、作った国の文化や思想が色濃く反映されるはず。だから、日本人のための、日本の文脈を学習したAIが欲しくなるのは必然。

「正解」に心はついていけないから

もう一つ求めることは、AIを正解を出力するだけのシステムに留めないこと。

一般に社会的に評価される正解を出す機能よりも、答えの出ない問いに、正面からぶつかって、人間と一緒に四苦八苦するAIが、これから求められてくると思っている。

正解よりも、個人の「納得」を優先する。

理由はシンプルで、人は、自分が納得した道しか歩けないと思うから。

僕自身、ChatGPTを一年以上使ってきましたが、

正直、AIの機能よりも、使う側のリテラシーが試される局面が多いと感じています。

AI×武道

AIはとても高性能であり、日々進化していることを肌で感じているが、

所詮はよく切れるハサミと変わない、とも言える。

使い手次第で、道具にも凶器にもなれてしまう。

AIで生成した「正解」で他者を殴っても、誰も幸せにならないんじゃないかな。

高性能、高スピードの道具を「結果」のためだけに使ってしまったら、先に心がついていかなくなってしまう。僕自身、それでTikTokのアカウントをつぶした経験がある。

「どう使うのか?」

「出力した回答を鵜呑みにするのか?」

「何を受け入れ、何を拒否するのか?」

そんな「センス」が求められると思う。

だから、AIをプロセス重視で使うことは、

・人格形成の一環になりうるし

・それは、現代の武道とも言えるかもしれない

例えば、剣術も、目的を突き詰めれば人を殺める技術。

もし、先人たちがそれを「正解」としてしまっていたら、武士道、誇り、義、そんな概念は生まれてこなかっただろう。

でも、日本人はそこに意味を見出してきた。それは正解よりも納得を優先する生き方の一例なんだと思っている。

そう考えて「道」のメタファーでAIを活用する試みを、日々行なっている。

AIと共に挑戦する人が増えればいいな

もし、国産AIが日本の教育現場で生徒に使われるのであれば、体裁の良い、ありきたりな正解を出す方法ではなく、「自分の好奇心に従ってチャレンジしていく時の相棒」として活用する方法を伝えて欲しいな、と強く感じる。

僕自身、ChatGPTをそうやって使っているし、それが、AIにしかできないことと、人間にしかできないことを見分ける、シンプルな方法だと思っている。

これからも、「納得」を最優先に、AI活用を進めていきたい。

カテゴリー: Uncategorized

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